『 昨日 とても明るかった空が
たった一日で
ぼんより雲ってしまう
それがごく単純に 僕達の世界なんだ 』
誠が受ける陰湿なイジメは、日ごとにエスカレートしていった。しかし担任の
千尋は、誠の努力ですでにイジメはなくなっていると信じていた。ある日、誠は
社会科教師の悦男が本屋で万引きするところを見てしまう。
悦男は誠に、自分は窃盗癖があると告白するが、誠は誰にも話さないと誓った。
誠には悦男が自分の味方になってくれそうな人物に思えたのだ。
『 僕ははっきりとはじまりを意識していた
もがけばもがくほど切り裂かれる 茨に抱かれて
白い校舎というなの箱の中
たった一人の 絶望というはじまりを 』